前回に続き今回は歯科医師が見るべき求人票の項目をお伝えする。
さきに結論をお伝えするが、歯科衛生士と同様に最も信頼できる就職先情報は「口コミや紹介」である。
実際に勤務した事のある人からの情報よりも確かなものはない。
職場選びを間違えないためには、そのような確実な情報を手に入れよう。
求人票には事実とは異なる事も多くみられており、その理由は歯科医師不足である。
歯科医師不足により誇張した求人も多くみられる。
しかし歯科医師不足とは多くの場合勤務医にとっては嬉しい事である。
それは一人当たりの歯科医師に対する患者が多く、色々な経験ができる(経験できる事が良い悪いは分からないが)待遇を改善しないと代診Drを雇用できないからだ。
すでにその兆候は顕著に表れており、私が勤務医をしていた10年ほど前とはくらべものにならないくらい福利厚生が改善している。
歯科医師も人生で自分が何をしたいかを考える事が重要になる。
その理由としては勤務医にとって全てを兼ねそろえた就職先はないという事だ。
・給料、福利厚生がいい
・有給は取りやすい
・院長の技術がすばらしい
・院長が勤務時間内にマンツーマンで指導してくれる
・スタッフの人間関係が良好
・プライベートの時間も確保できる
当院を含めてこのような職場はこの世にない。
このような候補から自分が人生で大切にしたい事を何個か考え、そこにあった職場にいくのがいいだろう。
100%の職場はないと諦める事が大切
一般的に院長の技術が優れていたり、学会で有名な先生ほど給料や福利厚生は良くない傾向があり、プライベートの時間あまりとれない。
そのかわり歯科医療の知識は当然増える。
反対に治療に対するこだわりがない、治療に興味がない先生(私だが)は福利厚生がよく、プライベートの時間を確保しやすい傾向がある。
これは少し考えてみれば理解できる事だが、自分がされてきた事を自分のスタッフにもするという傾向が人間にはあるのだ。
人生の多くの時間を歯科の勉強に費やしてきた院長はスタッフにもそれを求めるし、反対に自由にやってきた院長はスタッフも自由でいいと考える。
自由にやってきたのに開業した途端にめちゃくちゃ厳しくなる人もいるが笑
・メンテや簡単な処置のみでの勤務Dr
・安い給料でもいいから自分の時間を確保したいDr
これからはこのような働き方の歯科医師が増えてくるだろう。
当院は見学にくるドクターにアンケートをとっており、希望給料、希望の働き方などを記入してもらっている。これは直接院長に伝えにくい事を把握するために行っているのだが、メンテチェックや一般的な治療のみ希望のドクターが何人も見学にきているし、就職もしている。
メンテナンスや口腔機能の管理という分野に保険点数がつき、治療よりもその分野で経営が成り立つようになった歯科医院には、新しい働き方がでてきている。
女性歯科医師が増えている事や開業投資金額の高騰などで、開業を目指す歯科医師が減り、勤務医思考のドクターが増えている印象をうける
分院長という選択はありか?なしか?
給料、福利厚生やスタッフに不満がなく一生分院長をするという場合や、法人から開業資金を出してもらい将来買い取りの場合はリスクが少なく自分の医院が手に入るのでおススメだ。
問題は将来開業を考えている場合だ。
開業を考えているのにも関わらず、経営が勉強できるからという理由で分院長になるドクターがいるが、その考えは完全に間違いだ。
分院長では経営を学ぶ事はできない。その理由として重要な決裁権は理事長が握っている場合はが多いし、自分で借金を背負わないと分からない事はたくさんある。
開業前の資金を溜める場合もそうだが、月100万くらいの給料が欲しければ勤務医でもいける。分院長の給料が2000~3000万ある場合は別だが、およそ年商の10~15%が分院長の給料だろう。
また流行っている医院のやり方を完コピするなら勤務医でもいける。
唯一賛成なの場合は医療法人に資金を出してもらい、将来買い取りの契約を結ぶ場合だ。
その場合は勤務時間や医院名、開業地も自分できめればいい。
売り上げがあがって買い取りなしと急に理事長に言われる場合もあるので、最初から契約を結ぶといいだろう。
将来買い取りなら分院長もOK
大前提として歯科医師をはじめとする医療従事者は“やりがい搾取”をされやすい職種である。
それは「患者さんのため」という魔法の言葉からもわかるように、人に尽くす事が正義とされる業種だからだ。
それは開業医に限った話ではなく、医局でもそうだ。
先ほども書いたが「人は自分がやられた事をやる傾向にある」
虐待されて育った子供が自分の子供を虐待する事からもそれはわかる。
自分がやりがい搾取をされて患者さんのためと居残り練習をしたり、プライベートの時間を潰した勤務医は自分が院長になってもスタッフにそのように接する。
それでスタッフが集まればいいが、今後の人材不足の状況ではかなり困難な道になるだろう。
スタッフが100%以上の努力で成り立っている歯科医院は凄いと思うが、スタッフが辞めた時に100%以上努力できるスタッフを求人し、育成する事がとても難しい。なので私は70%の努力で経営が成り立つ歯科医院がベストだと考えている。当然院長の努力も70%である。
70%の力で経営が成り立つ仕組みづくりを
まずは自分がやりがい搾取をされない職場に就職する事も大切だ。
「あなたのため」
「成長できる」
「今努力すれば成功する」
私は「成長」「努力」「成功」とすぐに言う人を全く信用していない。かなり薄っぺらい言葉と思ってしまう。
「今日も最高の1日にします!」というユーチューバーがいるが、温かいベッドで寝てお腹がすいたときに好きなものが食べれるそれだけで最高の1日だ。
ちなみに「今日も最高の1日にします!」を流行らした起業家が過去を振り返った別の動画で、他のスタッフから全然やっていなかったと言われていた。
人間そんなもんだ。
経営は100m走でなく持久走なのだ。全力で走ればいずれ全員息切れをする
ホリエモンが10年修行する寿司職人を批判しているが、これは歯科業界にも当てはまる。
将来開業を目指すのであれば、効率よく勤務して早く独立するのがベストだろう。
歯周病、インプラント、矯正など色々な診療を覚えてから開業するというDrもいるが、そんな事しているとどんどん開業が遅れて体力的にきつくなってしまう。
新卒歯科医師求人10年前との比較
・新卒給料
2024年:40~50万
2014年:25万~30万
・有給
2024年:使える医院も増えてきた
2014年:使えない(私も使えなかった)
・残業
2024年:定時に終わる
2014年:30分以上延長
・院内勉強会
2024年:勤務時間内
2014年:診療後になぜかDrだけ居残り(サービス残業)
・院長勉強会の付き添い
2024年:個人が参加の判断
2014年:強制参加
・産休育休
2024年:男性も使えるようになっている
2014年:ほとんど使えない
歯科医師求人票
それでは求人票について解説していこう
前回のブログ(歯科衛生士の求人票)とかぶる部分も多いが説明していく
・院長のキャラクター
この部分は求人票からは読み取りにくいがかなり重要である。
まず治療を専門的に勉強したいなら学会で定期的に発表をしていたり、本を書いている先生がいいだろう。そのような先生は定期的に学会に参加していたり様々な勉強会に顔をだしており色々な情報に触れる事ができる。
「専門医」「認定医」の資格をとっている先生もいいが、一度とったきりで最近は活動していない人も数多く存在するので、HPのインスタやブログで活動をしっかり確認するといいだろう。
学会に参加して年に何回もポスター発表などをおこなっている院長は、症例集めのために日々の臨床も学術的に治療している可能性があがる。
見学時の院長の態度に騙されないでほしい。見学に行った時や食事や学会で優しい院長も治療中はイライラしている事もとても多く、その原因は単純で”忙しい”からである。見学に行った際には院長の忙しさにも注目するといいだろう。
院長も1日16人程度治療をしている場合はかなりの確率でイライラしている院長が多い。
そのような先生の肩を持つわけではないが、院長はとてもいそがしいのだ。そんな中1日何十人も治療していたら誰でもイライラしていまう。
治療を含めた色々な業務のスタッフ割り振りができている医院は院長がそこまで忙しくなく、イライラしていない可能性が高い。
勤務医と院長の違い
・スタッフからの業務報告
勤務医:1日数回 院長:1日数十回
・業者対応
勤務医:なし 院長:1日数回
・飛び込み営業
勤務医:なし 院長:あり
・求人
勤務医:なし 院長:あり
・給料などの経理
勤務医:なし 院長:あり
・結婚、子育て
勤務医:ない場合が多い 院長:ある場合が多い
・スタッフからの相談
勤務医:ほとんどない 院長:あり
・導入医療機器の検討
勤務医:なし 院長:あり
・銀行、税理士対応
勤務医:なし 院長:あり
・医院の雰囲気
誰しもが人間関係良好な職場に勤めたいと思っているが、人間関係がぐちゃぐちゃな歯科医院はかなり多い。
これ自体はやはり口コミで知るしかないが、指標の一つは院長が忙しすぎない事と適度な向上心が大前提だと思っている。
先ほども書いたが院長はどうしても忙しくなりすぎている。(悩んでいる院長は過去の私の記事を読んでもらいたい。)院長が忙しくイライラしているとそれは必ずスタッフに伝わり、雰囲気は悪くなる。
さらに向上心がありすぎる院長も問題だ。向上心がある院長は当然スタッフにもそれを期待する。その向上心に応える事ができるスタッフばかりではないので、できないスタッフに矛先が向き医院の雰囲気は悪くなる。
そのような医院は定着が悪く色々なスタッフの出入りが激しいので、常に人間関係がバタバタしている場合が多い。
・年間休日
給料や診療時間に目がいってしまう場合が多く、意外と気にしていない歯科医師も多いがいまどき振替診療などやっている医院は論外だ。
年間休日
110以下←ブラック
110~120←まあまあ
120~130←ホワイト(ちなみに当院は128日)
ちなみに最近は月曜休みの歯科医院もある。その医院の謳い文句は「日、月と連休がとれる」であるが、月曜休みの医院は年間休日が減ってしまう。
2024年に限っては月曜の祝日が9日もあり、医院の休みと祝日がかぶってしまうのだ。
医院の休みは月曜以外の方が年間休日は当然多くなる。
若手の間は休みの事を考えない歯科医師も多い。
将来に繋がるか分からないのに頑張る事に重点を置いく傾向がある。
結婚、出産、子育てが私生活にはいってくると職場の休みはとても大切になる。
家庭をもってから転職するよりも同じ歯科医院に長期勤務したほうが給料はあがりやすい。
・給料
今初任給はかなりあがっている。
東海地方でも40万や50万が普通になっているし、関東なら80万の求人も目に付く。
給料よりも勉強になる歯科医院(身に付くかは別)に行くことが良い事というような風潮があるが、周りに流されず自分がどうしたいかをしっかり考えよう。
給料が高い方がいいといいわけではないが、ある程度もらえないとそれなりに生活ができない。
学会やセミナーで有名な先生の医院は待遇を良くしなくても若手歯科医師が集まるため、給料が低い事が多い。(なかには待遇がいい医院もあるが)
卒業1~2年は給料は二の次で勉強を優先する若手歯科医師も多いが、5年くらい経ってくると多くの歯科医師が給料という現実を見るようになる。
卒後1~2年などはどんな治療をしたか?が話題の中心だが、30歳以降はからお金の事が話題の中心になってくる。
・指導
「マンツーマン指導」をしていると書いてある医院の多いが、院長のアポがびっしり入っている場合はマンツーマン指導はできないと思っていいだろう。指導してくれるDrは院長でも代診Drでもいいが、代診Drが複数いる職場がいい。
院長と二人だとしっかり指導してもらえると考える歯科医師もいるが、歯科医師が院長と二人という職場は精神的にキツイ場合が多い。
私も院長と二人という職場に4年勤務した経験があるが、かなりストレスはたまった。
若手歯科医師は院長から直接指導してもらえる歯科医院を選ぶ人もいるだろうが、ストレスで院長の事が嫌いになっては元も子もない。教えてもらう事が嫌になってしまっては意味がない。
さらに歯科医師が院長と二人という職場では、お局が色々と治療に関して口を出してくる事も多いだろう。
当然無給の居残り練習などある医院はおススメしない。歯科医師だからと言って“やりがい搾取”される必要はない。
自分がやりがい搾取をされていた人は、将来やりがい搾取をするようになってしまう。
・勉強できる環境とは?
見学中などによく聞く言葉が「インプラント、矯正、自費を勉強できる」であるが、この表現には気をつけたほうがいい。
その理由は具体性が欠けているためだ。
当院も「矯正を勉強したい人には矯正が勉強できる」と歯科医師には伝えているが、具体性をもって説明している。
当院は矯正専門医が月3回きている。そしてその矯正患者を矯正希望Dr全員で治療をしている。空いている時間には矯正診断も教えている。当然矯正を勉強するより保険診療をしたいというDrには保険のアポをいれている。
そしてインプラントは全くやっていないので、当院では勉強できない。
私も勤務医の頃に自費が多く、インプラントもやれると言われた郊外の歯科医院に非常勤勤務したが、インプラントは経験できなかった。
月に数本インプラントがあったが、結局院長がやってしまっていた。
数年しか勤めていない代診Drにインプラントや矯正をやらす事は院長としてはかなり不安も十分理解できるが、学びたい場合はそこにどれだけ具体性があるかを確認たほうがいいだろう。
実際勤務している歯科医師が何年目でその治療をやらせてもらったのか?をしっかりと確認しよう。月に10本程度のインプラントでは若手にわまってくる可能性は低い。
症例検討をしているという医院も気を付けた方がいい。
症例検討とは名ばかりで院長の講演会が昼夜を問わずはじまる事も多々ある。
最初は新鮮だが、よほどインプットをしている院長でないと、半年程度で同じ事の繰り返しだと言う事に気が付く。
1年ほどたつとただの苦痛の時間になってしまう。
毎日症例検討している医院は当然医院の拘束時間がながくなる。症例検討は月1回程度で十分だと思っている。
・マイクロ完備求人にも注意
はっきり言ってマイクロなどどの歯科医院も買える。(当院にはマイクロはない)問題はどのように運用できているかである。
私自身勤務医の時にマイクロがある歯科医院に何件か勤務したが、ほとんど使う時間はなかった。
患者が多いとマイクロがあるチェアーに義歯や小児も導入せざるを得なくなり、マイクロを使う事ができないのだ。
自費の根治などが多い都会でないとしっかり運用できていないと思っていいだろう。見学時にだれもマイクロを使っていない場合は普段ほとんど誰も使っていなくて埃をかぶっているという医院も多いはずだ。
マイクロをどんな治療で使っているか?
誰が使っているか?
1日のうち何回使えているか?
これらを事前に確認する事をおススメする。
・残業
残業は限りなくすくない歯科医院を選ぶべき。月の残業が最低でも5時間以内が目安だ。
見学時にアポを確認して最終アポ時間に抜髄や抜歯が普通に入っている歯科医院は、残業がかなり多くなる。
残業が少ないと書いてあっても「ただし歯科衛生士、歯科助手に限る」パターンがとても多く、なぜか歯科医師は無給で残業していいという認識になっている。
これもやりがい搾取の典型的な思考である。
・有給
歯科医師も有給100%は当たり前。当然非常勤もである。
まだまだ歯科医師は有給を使えないという歯科医院もあるが、昔よりは使える歯科医院も増えている。
歯科医師が複数いる環境でないと有給は使いにくい。先ほど伝えた院長と二人きりという医院の場合は有給申請をするのに院長に申し訳ない気持ちになってしまい申請がしにくい。
たまに「有給が新しい方から消えていくという謎制度」の歯科医院もあるので気をつけたほうがいい。そういう医院に限って有給申請がしにくくどんどん有給が消えていってしまう。
有給が新しいほうから消えていくと、トータルで使える有給が少なくなる可能性が高い。
ちなみに当院の場合有給は半日単位で取得できるし、有給の前借りもできる。
指定有給という制度は法律で認められているが、医院側の都合で勝手に有給が使われるという事に疑問をもつ場合は確認したほうがいいだろう。
有給の申請もいちいち院長にする必要がある場合も、気持ち的に申請がしにくくなるのでできれば事務スタッフなども申請できるシステムの医院がいいだろう。
有給を使いににくい雰囲気の医院だと、連休が取りづらくなり海外旅行などはいけない。
当院は有給は好きな時につかっており、連休にあわせて海外に行くスタッフも多い。
連休の前後はスタッフがすくなくなりがちだが、私はまったく気にならない。
・産休育休
いまどき対応してない医院や産休育休を取得する時に院長から嫌な顔をされるなどは論外だ。
男性Drでも使えるようにするべきだ。産休育休が女性だけというのもおかしい話である。
・人数配置
忙しく休みにくい職場は歯科医師の数とアポの列が同じ場合が多い。
かなりの大型医院だと稀に急患対応Drがいる場合もあるが、ほとんどがDrとアポ列が同じとなっている。
体力に自信があり患者をたくさん治療して、スピードと売り上げ重視ならこのような医院がいい。
しかしゆとりを持って治療をしたり、体調不良の時に休みやすい環境を求めるならDr数がアポ列よりも多い医院がいいだろう。特に院長が治療で忙しそうな医院は聞きたい事も聞きにくい場合が多いし、なにより院長が常にイライラしている。
当院は体調不良なら休んだほうがいいと考えているので、院長である私のアポを極力いれないようにしている。私のアポを入れければ、Drが休んでも患者を私が見ればいいし、空いている時間は「年商2億歯医者/敗者」ブログを執筆できるので時間が有意義に使える。
ただDrは時給が高いのでアポをパンパンに入れたくなる院長の気持ちも理解できる。
投資で歯科以外の資産が増えるとアポが空いていても、イライラせずにスタッフに接する事ができるようになるので、開業医は歯科医院以外で資産を形成する方法を考えるといいだろう。
・確定拠出年金
これからの時代は投資は必須である。個人の資産形成のアドバイスをしてくれる医院を選んだほうがいい。
インフレ目標2%を目指している日本においては、銀行にお金を預けているだけではお金の価値は減っていく、投資をして資産を守る事ができる職場がいいだろう。
歯科医師は治療や患者を増やしてお金を増やす事しか考えていない人がとても多い。
労働でお金を増やすには限界がある
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・交通費
全額支給か自腹でいくことのないような距離。交通費全額負担の医院も多くなっている
いくら勉強しているという意識であっても自腹で払う事のないようにしてもらいたい。
歯科業界はまだまだ勉強させてもらっているという”やりがい搾取”が蔓延している業界なので、気を付けてもらいたい。
・予防接収、健康診断
医院負担でできる医院。スタッフの体調管理は会社の責任だ。
・社保完備は必須
当院はまだできていないが、協会けんぽの歯科医院も増えてきている。歯科医師国保より協会けんぽの方が手厚い
歯科医師国保と協会けんぽの比較
出産手当金:歯科医師国保 なし
協会けんぽ 約60%支給
傷病手当:歯科医師国保 1日3000円支給
協会けんぽ 約60%支給
産前産後、育休:歯科医師国保 支払い続ける必要あり
協会けんぽ 保険料免除
保険料;歯科医師国保 定額
協会けんぽ 収入で高くなる、賞与にも保険料発生
比較すると協会けんぽの方が歯科医師にとってはいい。
協会けんぽでは歯科医院の負担金も歯科医師国保に比べて多くなるので、歯科医師国保を誓っている歯科医院が多い。
これからは協会けんぽが増えてくるだろう
・セミナー
医院から行くことを勧められたセミナーは自腹でいく必要は全くない。当然医院が全額負担するべきだ。
最近流行りの意識高い系セミナーを取り入れている医院もあるが、これは人を選ぶので気を付けた方がいい。
意識高い系セミナーはマーケティングが上手いので、セミナー受講者のうち大成功している人をスピーカーとして講演をさせている。気を付けてほしいのはその陰には成果がでなかった数多くの院長がいるという事だ。
新人のうちは周りの雰囲気に流されて適応できるかもしれないが、年数が経ってくると合わなくなる場合も多い。
私の知り合いも何人も朝一からハイタッチする歯科医院に勤務して色々な活動をしていた。
それは休日に院外の掃除や、レクリエーション活動などだ。
そういう医院の求人の常套句は「うちで経営を学べば開業してスタートダッシュできる」
その後自分の大型の歯科医院を作った先輩も知っているが、普通の開業しかできていない人も大勢いる。
結局たかが数年勤務したくらいで人生など変わらない。
何度も言うが歯科医院経営は100m走でなく持久走だ。
意識高い系セミナーでたった数年全力で走り売り上げがあがったとしても、本当に自分にあっていなければ必ず息切れをおこす(私もそうだった)
・制服貸与
ほとんどの歯科医院がスクラブなどは貸与になっていると思うが、冬のインナーやカーディガンが貸与になっている歯科医院は少ない。そのあたりも入社前に確認しよう
・髪色やネイル
最近は髪色やネイルは自由な医院も増えてきており、この意見は私も賛成である。
・家賃補助
色々条件はあるかとは思うが、月数万の家賃補助をしている医院も多い。
引っ越し手当を出している医院もある。
・治療アポの時間
最近ではDr1人につきチェアー2台で1日30人以上見ないといけない歯科医院は減っている。(開業して借金を背負うと最初はみんなやるのだが)
「チェアー1台で30分アポ」だからゆっくり治療ができるという院長もいるが、そこに急患や初診が入ってくるとチェアー1台で20人近くみる必要があり、なかなか忙しくなる。
経験年数にもよるがアポの時間をある程度Drが決める事ができる歯科医院がおススメだ。
・診療マニュアルやカリキュラム
求人票には多くの医院で「当院にはマニュアルやカリキュラムがあるから安心」とよく書いてある。しかし実際に運用できているかどうかは全くの別問題だ。
一度作る事はとても簡単だが、運用する事が非常に難しい。数年に1度は新卒歯科医師が入社するような環境の歯科医院でないと運用はできていないと考えていいだろう。
・ハラスメント窓口
最近ではハラスメントが取り沙汰されており意識が上がっている。歯科医院でもハラスメントがあった場合はどこに連絡するかなどを確認しよう。
私も若手の時に勤務先のお局歯科衛生士から言われる事にめちゃくちゃムカついていた。
特に女性歯科医師の場合は男性よりもハラスメントを受ける可能性が高いので、事前にハラスメント窓口を確認しておこう。
視野を広く
今回は歯科医師求人についてお伝えした。
私は職場選びで最も重要な事は「医院の雰囲気」が合っているかだと考えている。
院長とある程度波長があっていなかったり、雰囲気が悪い医院だと、どんなに素晴らしい治療をしている医院でも勉強したいという気持ちが持続しなくなる。
求人票は求職者の目につきやすいようにいい事が誇張して書いてある場合がとても多い。求人票に書いてある情報を鵜呑みにぜすしっかりと情報を収集して「こんなはずじゃなかった」という事態を避けてもらいたい。
若手Drに伝えたい事は「視野を広く持つ」という事だ。
「インプラント、矯正ができるようにならないといけない」
「開業するから努力しないといけない」
「実家の医院を継承しないといけない」
「お金を稼ぎたい」
今の歯科業界はそんなに一生懸命にならなくても余裕で生活できる。
自分が熱中している事が本当に必要なのか?を知るためには歯科業界以外の人達と話す事がいいだろう。
ネットで検索すれば色々なコミュニティがあるし、簡単に参加できる。
歯科業界という小さい世界で、人間の中で小さい口の中を見ているだけでは気づかない事が世の中にはたくさんある。
人生において今自分が信じている事が5年後には全く違ったなんて事はざらにあるし、自分が信じていた事が崩れた時に本当に大切なものが何かわかる。
「人生にとって大切な何かは、限界状況に立たされて初めて気づく」
ヤスバース
自分が限界にならないと本当に大切なものについてなど考えない。
人生に行き詰まり、限界だと思った時は大きなチャンスだ。
そんな時ほど歯科業界以外に目を向けてみよう。
次回は「院長にとって本当の幸福とは?」についてお伝えする。