2020年仕事に全力投球のしすぎで倒れた後、ゴール設定をする事の大切さを痛感した。
私たちは幼いころから
「限界をつくるな」
「高い目標をもて」
歯科医師になってからも
「休日にはセミナーに行くべき」
「学会で〇〇先生の話を聞いた」
「スタッフのため」
「いい症例をつくるため」
そんな事を言われてすごしているが、目標をもち常に前進する事が本当に幸せか?
もちろんそれが幸せな人もいるだろうが、当然違う人もいる。
自分の限界を自分で決めて、あえてそれ以上上を目指さない。
限界にたどり着いたら、別の事をはじめるのもいいだろう。
開業医としての自分の限界を知ってから、このブログをはじめた。
私と同じで常に全力疾走する事に疑問を感じている先生達の救いになってくれれば幸いだ。
歯医者になったからといって、歯医者だけをやるには人生は長すぎる。
ゴールを作るメリット・デメリット
自分でゴール設定をする事はメリットにもデメリットにもなりえる。
ゴールをつくるメリット
・時間が増える
・スタッフにイライラしない
・患者にイライラしない(100%ではありません)
・周りに感謝できる
・自己肯定感が高まる
ゴールをつくるデメリット
・年商があがらない
・年収があがらない
・高級車、ブランドが今よりも買えない
・周りから意識高い系がいなくなる
・周りから賞賛される事が減る
どちらがいいかは人それぞれだ。
治療を極める事をメリット、デメリットに書かなかったのには理由がある。
治療について勉強する事は人によってメリットにもデメリットにもなりえる
本当に治療が好きな人はそれ自体が趣味であり、ストレスなく休日にセミナーに行ける。
昔の私のように休日をつぶして勉強すれば、DHやDrが自分の医院に就職するかもしれないなどという事を考えている人間は勉強をやめる事がメリットだ。
それはあなたが本当に望んでいる事ではない。
言霊・引き寄せの法則
私の開業医としての限界は今の状況だ。
【スタッフ30人、年商2億】
この状況を羨ましいという人もいるが、そんな事は思ってはいけない。
人と比べて自分が劣っているとか、優れているとか考えてはいけない。
自分の事をありのままに受け入れる。
それは成功も失敗も感謝された事も怒られたこともすべてだ。
それらの経験があったから今のあなたが形成されているのだ。
親が歯医者の人はわかると思うが、
小さいころから金持ちの烙印を押され
「金持ちだから大丈夫だろ」
などという意味不明な事を言われ続けてきた。
まるでトラウマのように私の内面にこびりついていた。
そのせいか金持ちに見られないように、ブランド品を持たないようにした。
最近気が付いたのだが、それは逆に『金持ち』を意識してしてしまっている。
金があろうがなかろうが、自分が着たい服をきて、やりたい事をすることが大切なのではないか?
それが自分だ。
話がそれてしまった。
私がゴールを作った最大の利点は“時間が増えた”ことにつきる。
以前は週60時間以上は働いていたように思うが2020年以降、週40時間以上は絶対に働かないと決めた。
それにより趣味の時間が増えた。
さらに夫婦関係もよくなった。妻には開業した頃と別人のようになったと言われた。
当時は常に仕事を考え、眉間にしわがより、仕事の予定でいっぱいいっぱいだった。
人間に仕事、家庭、プライベートをすべてこなす事は絶対にできないのだ。
私は仕事に時間を割きすぎて家族とプライベートが崩壊しそうだった。
私があのまま3億の医院を目指していたら、どうなっていたかと思うとぞっとする。
余計なお世話だと思うが、仕事で圧倒的な結果が出ている人を不安に思ってしまう。
おそらく健康、家族、プライベートのどれかが犠牲になってしまっているのだ。
当然デメリットも増えた(今はデメリットと感じていないが)
周りから賞賛されることは減ったし、これ以上年収はあがらない。
経営セミナーの懇親会に参加すれば、私より一回りの上の先生からアドバイスを求められた。
「診療時間は短くした方がいいですか」
「衛生士確保はどうすればいいですか」
「次はどんな事をやりますか」
目上の先生に対してアドバイスをしているうちに、自分が高尚な人間になったと感じていまっていた。
【言霊】
【引き寄せの法則】
これらを自分で実感した。
「次は3億を目指します」
「分院展開も考えています」
そのような目標をまわりに話しているうちに、自分の行動がどんどん変わっていった。
分院を何個も持っている医院や、年商4億の医院の見学にいき、自分を追い込んでいた。
【言霊】
【引き寄せの法則】
これらの言葉はプラスだと思っていたが、マイナスに作用する事もあったのだ。
「仕事よりプライベートを優先」
「セミナーに行く暇があるなら子供と遊ぶ」
負け惜しみに聞こえるかもしれないが、これが今の口癖だ。
ゴールの作り方
ではどのようにゴールを作るべきか?
これがとても難しい。
私も倒れるまで自分の限界がわからなかった。
ゴールは限界の下に設定するべきだが、私のように倒れてからでは遅い。
いくつかの基準を説明しよう
① 周りからの賞賛を優先していないか?
規模拡大が周りから賞賛される事に味をしめ、DrやDH獲得のためにセミナーに参加したり、セミナーを開いていないか
② 仕事が楽しいと思い込んでいないか?
当時の私もそうだったが、結果がでるから仕事が楽しいと思い込んでいた。
休日もセミナーに時間を割いていたが、歯科以外のコミュニティがなかっただけだった。
仕事が楽しいのでなく、仕事しかなかったのだ。
③ 健康か?
私たちは自分が知らない間に健康を失っている。
運動不足もそうだ。30代の同級生はどんどん体系が崩れてしまっている。
④ 家族や友人の関係は良好か?
仕事があるからと家族や友人の予定をキャンセルしている場合は注意が必要だ。
関係が良好だと思っていても相手からすると違う場合が多い。
⑤ 意識高い系のメディアばかり見ていないか?
YouTubeで意識高い系の動画ばかりみて、モチベーションを無理やりあげてはいけない。それは無理やりアクセルを入れている状況だ。
本当にできている人間は、「モチベーションをあげる」などと言わない。
モチベーションをあげる努力などしなくても、普通な状態が私たちよりもパフォーマンスがはるかに高いのだ。
①~⑤に当てはまる場合は限界に近付いている。
自分の意思とは別に周りの環境からアクセルを踏んでしまっている可能性が高い
ゴールを設定した後どうするか
歯科医師としてのゴールを達成した後はそれで終わりか?
そうではない。
歯科医師だけで人生を終わらせるのに、人生は長すぎる
あなたは歯科関係以外のコミュニティはあるか?
歯科業界はとてもせまい、顔を合わせる人はほとんど同じだ。
大学時代の知り合い、セミナーで知り合った人、歯科医師会、業者
その中でいろいろな価値観が形成され、それがすべてかのように感じてしまう。
さらにそれらは全て利害関係という枠組みの中で成り立っている。
ゴールを設定し時間と心身のゆとりができてきたら、歯科以外のコミュニティに参加しよう。
仕事と関係なく、医院の利害関係から離れた関係性はより多くの学びとやすらぎをもたらしてくれる。
歯科医としてのピークは40代だ。50代以降になると自分の影響力(歯科医院も家族も)はどんどん落ちてくる。
その時に仕事にしがみついている事はとてもむなしい。
あなたはダーウィンを知っているだろうか?
生物に対する理解を変えた人物として、歴史に名を刻んでいる。
意外なことにダーウィンは自分のキャリアに失望し死んでいったのだ。
彼は50歳の時に発表した「種の起源」で科学界を一変させたが、それ以降ダーウィンの研究活動には全くのインパクトがなかったのだ。
ダーウィンは世間から見れば大成功だが、本人から見れば終わっていた。
かつての研究活動のように、前進し新たな成功をおさめる事でしか、喜びを感じられなかったのだ。
年齢によってかつてのような働き方はできず、キャリアの落ち込みで不幸になる。
そして、それはダーウィンのようにがむしゃらに働く事で卓越した成果をあげてきた人は、ほぼ同じようなパターンに直面する。
全員がスーパーサイヤ人目指さなくていい。
クリリンでもいいじゃないか。
クリリンも地球人最強だ。