歯科医院の継承?新規?

この業界は「跡継ぎ」がとても多い

この記事を見ているあなたも跡継ぎかもしれない

私と同様に幼いころから跡継ぎと勝手に思われてきたと思う。

  • 「いずれ息子さんは立派な跡取りになりますね」
  • 「お前は歯医者の息子だから金があっていいな」
  • 「実家の歯医者を継いだだけだから、開業の苦労はわからない」

そんな事を何十年も言われてきただろう

私もまったく同じだからその苦労はよくわかる

金はあっても悩みは人並みだ

親の後を継ぐ人にも悩みがある

継承の知識を深めるには?

実際に継承した人からの話を聞く事がベストだ。

何が正解かは人それぞれだが、私の経験を話そう。

目次

昔ながらの歯科医院

思春期には歯医者なんかにならないなどと言ってみたが、結局実家を継承した。

18歳で自分の将来をきめるほどの能力のなく、なんとなく歯科医になると考えてしまっていた。

その後は某私立歯科大学へ進学し、留年することもなく、そこそこの成績で歯医者になった。

歯医者になってからは、実家の医院を継ぐことを考え、どうすれば流行る歯科医院になるかを考えてばかりいた。

「跡継ぎにうまれた」ではなく「跡継ぎに生まれてしまった」と常に考えていたように思う。

最近思う事は

「継ぎたくなければ継がなくていい」という事だ。

私たちは「跡継ぎ」の前に一人の人間なのだ

私にも子どもがいるのだが、別に歯医者になってほしいとも思わないし、継いでほしいとも思わない。

人生にはいろいろな選択がある

「後を継ぐ」選択もあれば、「跡を継がない」選択もある。

私が継いだ医院は昔ながらの歯科医院だった

メンテナンスなどはほとんどなく治療ばかり

私の父親世代の典型的な考え方だ。

私がメンテナンスにまわした患者が、いつのまにか大量のカリエス治療の指示がでて治療にまわってくる

継承した医院の特徴

  • 診療終了は20時
  • 有給は使える環境ではない
  • 健康診断、予防接種はない
  • 1階が診療所で2階に住んでいた
  • 近くのスーパーにいけば5人患者にあう
  • 1日の来院患者は20人
  • スタッフは6人(DH2助手4)
  • DHは診療補助という考え
  • 朝はスタッフ用の入り口をあけなくてはならない
  • スタッフが帰った後に戸締りをする

まさに地域密着型の歯科医院で、そんな歯科医院に絶望したのを覚えている

親が偉大だと思いすぎるな

実家が歯医者だとどこに行っても「歯医者さんの息子」になる

必然的に父親が偉大だと思い込んでしまう

父親が偉大だと思った瞬間に、父親以上の開業医にはなれない

そもそも歯科医師のピークは40歳前後だ

子どもが実家の歯医者を継いで悩んでいる時は、父親はとっくにピークを過ぎている

ピークを過ぎた人間の意見を参考にしても仕方がない。

唯一、親の経験には耳を傾けてもいいだろうが、新しい事に関しては耳を傾ける必要はない。

人として尊敬することはあっても、経営者としては若い院長の方が絶対に優秀だ

継承する若いDrは自信をもっていいし、その根拠のない自信はとても大切だ。

根拠のない自信があるからこそできる事がある。

父親を偉大だと思いすぎないと同時に

世間で「成功者」と言われている人の意見を聞きすぎないようにする必要がある

歯科業界でも流行っている院長がいろいろなセミナーをやっている

(1~3億程度で成功と名乗っている先生もいる)

しかしそのほとんどは「運」である(2億の歯科医院を作った私を含め)

  • たまたま親が金持ちだった
  • たまたま求人がうまくいった
  • たまたま研修施設になれた
  • たまたま親戚が事務をしてくれた

我々が実際にあう事ができる程度の成功者などその程度だ

厄介なのはその人達がセミナーで話をするとき、成果を自分の努力の賜物と考え、よりドラマティックに物語をつくりあげるということだ。

つらい経験はよりつらく、成功はより大袈裟に話す。

たまたまできたであろう事をしっかりと見極めて、その先生の話を聞いた方がいい

父親世代の考え方

昭和時代の考え方は

「有給なんか必要ない』『仕事に誇りをもって、長時間労働をする』仕事中心の考え方だ

歯科治療に当てはめると

インレーは使わずCR、WSDや着色はCR、残根を残してリベース

予防の考え方などない

しかし、それが普通なのだ。

おそらく私も50代60代になると時代遅れになるだろう。

父親や母親と意見交換をして、うまく継承できればいいが、そんな医院はほとんどない。

コンサル業者が「親子の話合いが大切だ」などというが、そんな事はわかっている。

話あっても上手くいかないのが親子なのだ

やったこともない人達の意見など、ただの机上の空論だ

親子だからこそ難しい事があるのだ。

成功者といわれる人の意見を鵜呑みにしない

親のする通りになる

「子は親の『言う通り』にはならない。親の『する通り』になる」

私は中学受験をしなかったが、親は中学受験をさせようと、小学校の頃から塾にいかされていた。

田舎の小学校では、中学受験する同級生など0であったため、当時はもっと友達と遊びたくて文句を言っていた。

自分も親になってわかったが、中学受験をする事は子どもの人生に圧倒的に有利なのだ。

「跡継ぎとして生まれた子供」の、「親」の立場になってしまった私も、自分の子供には中学受験をさせるだろう。

継承するかしないかはあなたの自由だ。

どちらを選んでも、君が決めた事が正解だ。


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