私は歯科医師ほど投資に適した職業はないと考えている。
開業し軌道にのれば年収数千万は固いし、年収億越えの歯科医師もかなりの人数存在する。
さらに最近では歯科医師不足もあり勤務医の年収が大幅に増加しており、1000万以上稼ぐ勤務歯科医師も大勢いる。
投資の鉄則は余剰資金で行う事でありその結果、目先の利益に惑わされずいい結果が得られる可能性が高い。
そういった意味でも現金のある歯科医師は投資に向いている。
また世間では「歯科医師＝凄い」という認識があるため、投資でお金を増やしただけでは得られない承認欲求を適度に満たす事もできる。
投資でどんなに莫大な資産を築いたとしても周りに評価されないと寂しいと感じる人もおり、社会的評価の低い金持ちがブランド物を着飾るのは承認欲求が満たされないためだと考えられる。
また、医者と比較した場合でも私は歯科医師の方がいい資格だと感じる。
当然年収の平均値は医者が高いのだが、リスクや労働時間や精神的負担などを考えると歯科医師に軍配が上がるように感じる。（異論は認めます）
そんな時間的にも金銭的にも優遇された歯科医師なのだが、実際は投資をしようと考える歯科医師はとても少ない。
逆に考えると、時間も金銭的にもある程度満たされてしまうからこそ現状を変えようという意識にならないのだとも言える。
しかし開業するとすべての院長が
「スタッフが辞めた」
「求人が困っている」
「集患ができていない」
などの同じ悩みを持つ。
歯科医院経営は属人生が高いビジネスなので良くも悪くも”人”が必要であり、”人”の悩みから解放される事はない。
かくいう私も”人”の悩みから解放されたいと思い、規模拡大をしてきた過去がある。
規模拡大をすればスタッフが辞めても変わりがいるので、”人”の悩みから解放されると考えていたがそれは大きな間違いであった。
人が増えても”人”の悩みから解放される事はない。これは断言できる。
院長である以上医院の問題から逃れる事はできない。それは院長の宿命だ。
ところが医院で起こる問題は同じでも院長がそれをどうとられるか？で状況は変わる。
コップに水が「半分しか入っていない」「半分も入っている」
コップの水を見た時に二通りの捉え方があるが、「水は半分も入っている」という捉え方をする方が気楽になり、
投資をするとこの思考が生まれるのだ。
スタッフが辞めたり患者が減ったりしても、投資で資産形成できるからなんとかなると思える。
ちなみに私は今から10年以上前の研修医の時に投資をはじめたが、その当時は今ほど投資に対して世間は騒いでいなかったし、同期に話してもまったく興味がない人ばかりだった。
投資の話よりも有名な先生のセミナーに行く事に意識が向いている人が多く、ほとんどの同期が高額なセミナーに通い技術を身に着ける事で、将来稼げるという幻想に取りつかれていたのだ。
多くの若手歯科医師は高額なセミナーに参加し、技術を高める事で自分の年収を高める事を理想とするかもしれないが、年収を高めたければ投資をする方が圧倒的に効率がいい。
最近歯科で有名な先生と話す機会があったのだが（歯科に興味のない私でも知っている先生なのでかなり有名だと思う）そのような先生でさえ40歳を超えると歯科以外の人生に興味を持つらしい。
人生80年として25歳で歯科医師になったとしても歯科興味のない人生の方が長い事が分かる。
40歳以降で歯科に興味がなくなった時に、他の事ができるように可能な限り若いうちから投資をしたほうがいい。
年間何十万もかかるセミナーに行くお金があるなら、いますぐその金を投資にまわそう。
現金と金
まず投資を始める上で最も基本となるお現金について考えていこう。
・現金
私が日頃から接している多くの歯科医師は「現金」について理解していない。
なぜ1000円には1000円という価値があるのか？
その理由は「国が保証しそれを多くの人が信用しているから1000円としての価値がある」という事だ。
つまりお金とは信用から成り立っているのだ。
大昔は物々交換で物を取得していたが、利便性から金銀銅といったものが紙幣の変わりをするようになった。おその後金本位制の導入により1000円＝1000円分の金という制度になった。
しかし金本位制では金の量によって資産がきまってしまうため、現在は各国中央銀行の判断で通貨の発行量を調整する管理通貨制度が採用されている。
日本では日銀が通貨の量を決定しており、市場のお金の量の増減によって価値を決めている。
市場のお金の量が増えればお金の価値は下がり（インフレ）、市場のお金の量が減ればお金の価値が上がる（デフレ）のである。
バブル崩壊以降の日本はデフレであったため物価や賃金上昇がほとんどない、そのため銀行に貯金していてもそこまで問題にはならなかった。
しかし景気が回復し物価が上昇してきた現在では銀行にいれておくだけではお金の価値が目減りするのだ。
1年前に1000円で買う事ができたものが今年は変えなくなるという事は、1年で1000円の価値が減った事を意味する。
これは世界のインフレ率を示した表である。
2000年以降世界は約5％ほどでインフレが起きている。つまり毎年5％ずつお金の価値が下がっているのだ。
お金の価値は信頼と量で成り立っており、常に変動しているのだ。
数字上では1000円は何年たっても1000円であるが、相対的な評価によりその価値は上下する。
デフレにより銀行にお金を預けておけば価値が担保されていた日本という国が、世界からみると異常だという事がわかる。
・金
金はお金よりも安定した資産だと言われている。
その理由は金の総量が約25万トンと決まっておりいるためだ。紙幣は中央銀行がお金を自由に刷る事ができるため、金よりも価値が安定していない。お金をどんどん刷ると市場にお金があふれる事で紙幣の価値が下落し、100万円を持っていかないとパンが買えないという事になる（ジンバブエドルのように）
上の表でも分かるように株価が下落した場合でも金は安定しており、このような事から”有事の金”と言われポートフォリオの中に金資産をいれておくと、株価下落時に試算が安定する。
金のように総量が決まっており今後が期待されているのが、デジタルゴールドと称されるビットコインである。
あくまで個人的な意見でしかないが、私はビットコインは今後もっと安定的な資産になると考えている。その理由としてはボラティリティがかなり落ち着いてきている事やビットコインETFが続々と広まっているという事だ。
2017年頃がビットコインが注目された時期だが、それ以降私はずっと積み立て投資を続けておりビットコイン資産は数千万になっている。
いつ利確するかは分からないがまだまだ長期的に積み立てをしていく予定だ。
今後はポートフォリオにビットコインを入れるのもいいかもしれない。
投資をする上で重要な事
次は投資をする上で最低限必要な事を説明していこう。
文章を読むと簡単に思えるかもしれないが、実際投資を始めてみるとかなり難しいという事がわかる。
・時間を見方につける
投資は時間を見方につける事が最も大切だ。投資で資産形成ができない人の特徴として「すぐに金持ちになろうとする」という事だ。1週間先や1か月先に金持ちになろうとするから失敗する。
投資の平均保有期間は2.7年である。
年々保有期間は伸びてきているがまだまだ早期に手放してしまう人が多い。
たかが3年で金持ちになれるほど世の中は甘くない。
私が資産が増えているという実感を得たのは投資をしてから8年目くらいからである。
これは投資をしている人にとってはかなり有名な表で、過去200年間におけるアメリカの各資産の価値の推移を示した研究結果だ。
「1800年に1ドルずつ各資産に投資したら2013年にはどうなっていたか？」が分かる。
お金のみを所有していた人は資産を減らし、株などを長期に保有していた人は資産を爆発的に伸ばしている。
・収入を最大化する
金持ちが金持ちになる理由は投資に回せる資金力の違いだ。
そして収入の最大化という観点からすると歯科医師という職業は日本で最も優れた資格だと考えられる。
開業医なら誰でも簡単に年収3000万はいけるし、勤務医でも年収1000万は十分可能である。
さらに当直もなく残業もほとんどなく投資を勉強する時間がある（歯科でお金を稼ぐために居残り練習をするという勘違い歯科医師は除く）
しかし投資に絶対はなく、儲ける事もあるが損する事もある。
つまり投資は余剰資金でやる事が大切なのだ。余剰資金であれば目先の価格の上下に惑わされずに適切な判断をする事ができる。
「お金はお金に集まる」とはよく言われる事で、世の中では金持ちがどんどん金持ちになっていくという事実がある。
例えば世界の富裕層上位8人の資産総額は48兆7000億円であり、世界人口の約半数に相当する36億人以上の資産合計と同じになる。
ちなみに日本は経済発展していないと言われ、国民の多くがお金がないと嘆いているが、2023年時点で純金融資産1億円以上の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯に達し、2021年から11%増加している。
この増加は、主に株式などの資産価格の上昇、円安、および相続による資産移転が要因と考えられている。
余剰資金で投資をし資産拡大を目指そう。
さらに1億円の壁という事を聞いた事があるかもしれない。
年収1億以上になると税金の負担率が下がるという現象だが、これは年収1億以上の人のほとんどが、給与所得(税率55％)よりも金融所得(課税率20％)からの収入が多くなる事で税率が下がるという現象だ。
つまり年収1億以上の金持ち達のほとんどが給与で儲けるのではなく、株や投資で資産形成を加速させているという事がわかる。
歯科業界では年収1億以上の先生も数多く存在する。その多くはインプラントや矯正を経営の軸にしていたり、規模拡大をしている先生達なのだが、投資をする事で給料で年収1億を稼ぐよりも効率よく資産を増やす事ができるのだ。
・複利を利用する
複利は「人類最高の発明」とも言われる。
元本に加えて利息にも利息がつく仕組みで、長期的に資産が雪だるま式に増えていくためである。
上の表を見てほしい。元本100万を年6％で運用した場合を単利と複利で比較する。
単利：年間6万ずつ増えるので、30年後は280万
複利：元本に利子を合計した分を新たに元本として運用していく。30年後は570万
複利と長期投資を組み合わせると資産が雪だるま式に増える。
これは将来金持ちになりたい歯科医師向けの投資であり、今資産が増えている事を実感したい場合は、配当のある投資方法を選択するといいだろう。
国別の金融資産保有率
日本は投資に関して意識が低い国だと言われているが、実際どの程度遅れているのだろうか？
上の表からわかるように、日本人は資産の50％以上を現金・貯金で保存している。
今まではデフレであり現金の価値が下がる事はなかったため、銀行への貯金で資産を守る事もできていた。
しかし今後はインフレになり現金の価値は下がっていく。政府は毎年2％のインフレを目指しており、それが実現されれば毎年2％ずつお金の価値は下がっていくのだ。
これからは銀行の貯金では資産は減っていくという時代になる。
まとめ
今回は歯科医院が最も投資に適した職業である理由と題し、その理由について説明した。
時間と現金がある歯科医師は投資にとても向いている職業である事がわかる。
しかし多くの歯科医師は節税にはとても興味があるのにもかかわらず、投資で資産を増やす事には無頓着である場合が多い。
その理由は歯科医師という免許を取得した事で歯科医師という職業に固執してしまっているからだ。
日々の生活で歯科の情報ばかりに触れているので視野がとても狭い人が多い。
投資で資産を築く事ができれば、歯科医師という職業について別の視点から向き合う事ができ人生の可能性が広がる事は間違いない。
次回は私が投資をしている銘柄をあげて具体的な方法をお伝えしよう。
