若い院長が知らない最も最適な開業規模

開業前にしっかり意識しておくべき事は”開業規模”である。

最近はメンテナンス需要の増加により、安易に規模拡大を目指す若手院長が多い。

自分の力量にあった規模を選択しないと何年後かに人事で苦しむことになる。

今回はそんな若手Drに向けて適切な開業規模をお伝えしよう。

目次

適切な開業規模

自分の理想の規模を年商から割り出す事が必要だ。

銀行や業者はビジネスなので大きく開業する事を言ってくるが、彼らは売ったらおしまいの世界だ。

私が考える上限の規模

・チェアー7台

・Dr1人 矯正医1人 DH6人 受付1人 DA2人(DAは保育士、放射線技師、管理栄養士などがベスト)

・Dr売り上げ20万点 自費100万=年間3600万

・DH売り上げ1チェアー200万×5=年間1憶        合計 年商1憶3600万

歯科衛生士の求人は必須だが、歯科衛生士よりもハードルの高い歯科医師求人に悩まなくてすむ。

患者数としては1日50~60人で院長一人で見れない人数ではない。

5年でこの規模到達を目指すのがいいだろう。

この規模までいくとDr一人が大変になるが、体力の限界がきそうなら、医院を縮小する事をおススメする

開業は目的をもつ事が大切

目的やビジョンはとても大切だ。

それは「地域の患者様を幸せにする」「歯科医院を通じてみんなを幸せにする」などという上辺の目標ではない。

自分をしっかりと見つめ、見栄やプライドがなくなって出てくる目標だ。

正しい目標

・院長が最小のストレスで、最大収益をあげる

・スタッフや患者への感謝する

失敗する目標

・圧倒的な売り上げ

・見栄や承認欲求からくる目標

開業地の選定

開業地はとても大切である。

都心と田舎の開業ではスタイルが全く違う

都心は「集客」に悩み、田舎は「求人」に悩む

私の医院は人口10万人規模の田舎で、県内中心地から車で30分ほどの場所であるが、このような場所では新患数にはあまり悩まない。

リニューアル開業して5年たつが、月2万の広告費で月40人ほどの新患が来る。

しかし求人には苦労している。

幸いにもDrが8人、DHは10人以上いるが、いつまでこの状況が続くかはわからない。

都心での開業はハッキリ言って経験がないがハイリスクハイリターンであり、ストレスがかかるというのはわかる。家賃は100万を超え、広告費も100万ほどかかる場合が多いようだ。

土地を購入、借地の場合はチェアー上限7台の規模が適切だが、田舎の商業施設などのテナントに入り、もう少し規模を小さくするのもおススメである

田舎の商業施設家賃30万以下でかりる事ができる物件も多い。

さらに、広告費をほとんどかけなくても新患は安定している。

勘違いDrの始まり

開業したばかりの院長がおちいる勘違いが発生するが、それは「俺にはできる」という思考である。

ちょうど年商1憶を超えたあたりからその勘違いが生じてくる。

たった年商1憶程度でできると勘違いしてはいけない。

メンテナンスや口腔機能管理に保険点数がついたことで、年商1億など目指せばだれでも到達できるようになった。

問題がでてるくのはその次のステップの”歯科医師の獲得”である。

歯科医師の求人は院長に特別な魅力がない限りあきらめるという選択もいいだろう。

歯科医師にとって田舎まで勤務したい院長とは、

「臨床的に魅力がある」事である

SJCD、5D、JIADSなどでインストラクターをしているレベルの院長である。

そのレベルに到達するのに最も重要な事は「治療が好き」な事である

休日や診療の合間に論文を読み、症例発表のケースをまとめる日々を何年もおくれる人だけがたどりつけるレベルの人物で、同じ学年で1人もたどり着けない人数だ。

おそらくアナタはその領域にはいけないだろう。

臨床的な魅力がなく、代診の獲得を考える事ができない場合は「福利厚生」「給与」しか魅力がない

当院のDr福利厚生

・保育士を常駐しDrの子供を預かる

・常勤、非常勤ともに有給ok(院長に連絡なしで事務に報告でOK)

・当日休みOK(院長に連絡なしで事務に報告でOK)

・当日有給OK(院長に連絡なしで事務に報告でOK)

・時給5000スタート、交通費高速代は全額支給、ガソリン代も全額支給

・時給5000円:3人 時給6000円:2人

・1日の治療は10人~16人

・治療をしたくないDrはメンテチェック、簡単な治療のみでOK

・ほしい材料の購入OK

・矯正医が来る時間は保険のアポを入れずに、Drみんなで矯正見ている

・開業までの数か月の勤務OK(すでに3名の実績あり)

・開業時のアドバイス(メンテ主体の歯科医院の作り方、設計図や開業地のアドバイス)

・勉強会費用全額支給(80万の年間コースの支給実績あり)

このくらいの条件でもDr獲得はとても難しい。

友人からの紹介はあるものの、求人サイトからの応募は年に1人程度だ

ただDr雇用の例外として矯正医の雇用は賛成だ。

いくら田舎でも矯正をある程度やっていないと、集患には不安な部分もある。

矯正医は大学に所属しているDrの雇用をおススメする。時給は高めに設定してあるが、何かあった時の引継ぎがしっかりしており、後輩もいるため安心できる。

開業してから矯正を勉強したいというDrがいるが時間的に困難な事を覚えておこう。

開業した後も独身なら矯正を勉強する時間はあるが、ほとんどのDrは結婚・出産をする。

休日も矯正勉強会に行きたいなら行けばいいが、おそらくプライベートがボロボロになるだろう。

仕事をバリバリしている院長が、家に居場所がないという人はとても多い。そういう人は仕事では成功をしているが、プライベートに問題がある事も少なくない。

開業後にわざわざ矯正を勉強するくらいなら、家族と同じ時間を過ごした方がいい。

つまり矯正を学びたいなら、開業前に学べる歯科医院に行くべきなのだ。

田舎は歯科衛生士求人が大切 

田舎は衛生士の求人は積極的におこなうべきである。メンテナンス型の歯科医院になる事ができれば、収入はかなり安定する。

では都会での開業はどうだろうか?メンテナンスがなくても成功すると爆発的に儲かる

私の後輩も家賃が150万かかる一等地で開業したが開業2年で売り上げ4億になった。

すでに、家賃100万のマンションに住み、フェラーリ、ベントレー、ロールスロイスをのっているらしい。

しかし、田舎と比べ固定費(家賃、広告代)が莫大にかかるのが欠点だ。

都会では高い家賃を払い、田舎よりも狭いスペースで売り上げを獲得しなくてはならない

当然メンテナンスチェアーを増やす収益モデルでは、効率が悪すぎるので、インプラントやインビザラインなどの自費で収益を上げなくてはならなくなる。

そのためには、広告費を毎月100万以上費やす必要があるし、自費売り上げは月単位でかなり上下する。

つまり常に攻めの姿勢で、数字を気にして経営しなくてはならない。

自費の患者はクレームやトラブルをかかえるリスクも多く、クレームを少なくするためスタッフ教育にも細心の注意を払わなくてはならない。

20代30代の若い時はいいが、あなたは一生その姿勢でいられるだろうか?

毎日の患者数や売り上げの上下に追われ、ストレスなく生活できるだろうか?

田舎でもスタッフ教育は大切だが、年配の方などは、少し失敗しても笑ってゆるしてくれる。

田舎でメンテナンス主体医院の強み

・メンテナンス安定すれば広告費の大幅削減が可能

・医院側が患者を選ぶことができる

応召の義務があるため

「今日で治療は終了です」

「当院だとアポが1か月以上先になってしまいます」

などの言い方は大切だが、歯科医療への優先順位の低い患者はこちらも優先順位を低くすることで対応できる。

当院では、新患には初診カウンセリングをおこないメンテナンスに通わない患者や、クレームマーになりそうな患者は、はやめに来ないようにしむけているし、ましてや治療中にクレームを言ってくる患者はすぐに終了している。

メンテナンスで収益が獲得されていると、数人の保険患者が減ることは特に気にならない。

クレームは受付が言われる事が多く、そのような患者を診ないという意識は、スタッフの働きやすさにもつながるのだ。

スタッフの働きやすさを追求し、衛生士の離職をおさえてメンテナンスが軌道にのれば、チェアーあたり200万の売り上げの獲得が可能だ。さらにメンテ患者とは歯科医院の”ファン”であるためクレームの少ない。

都会型の歯科医院のように常に”攻め”の姿勢でなくても、院長がほとんどかかわる事なくある程度の収益を生み出してくれる。

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